土曜日

今日は、もしかしたら彼に逢うことになるかもしれない・・・と思っていた。
夕方、やっぱり電話がかかってきた。
飲み会に行くから、送って行って・・・と。
本当は、飲み会なんかじゃない。
私の友達と二人で逢っている。
二人とも、隠しているけど、二人が逢っていることは間違いない。
様子がおかしいから分かる。
彼は、荷物を家に置いていったから、帰りによるか、或いは彼女と泊まったりしたら、明日取りに来るだろう。
いずれにしても、彼とはもう一度は必ず逢う事になる。
そして、私は彼の今日の行動によっては、もう逢わないことにしようと思っている。
今度こそ、本当に。
彼は、本当に残酷だ。
私は知りたくなかった。二人で逢うことなんて・・・。
黙って二人で逢えば良いのに、どうして分かるような行動をするのか?。
今、彼の帰りを待っている私がどんな気持ちになるのか、彼は分かってない筈は無い。
なのに・・・。
時間がとてつもなく長く感じる。


今は一時、彼はまだ帰ってこない。
二人は楽しく過ごしてる。
そう思うと辛くて悲しい。
もう本当に無理。
彼を好きでいることも、彼女と友達で居ることも・・・。
どこかへ行ってしまいたい。
誰も知らない所へ。
逃げ出してしまいたい、この現実から。
今までの、人生で一番辛い夜。
早く朝が来ればいい。
そうすれば全て終わりに出来る。
朝になってやって来た彼に、さよならを伝えれば、それでこの苦しみから解放される。
今が一番辛いなら、段々良くなっていくだけ。
だから大丈夫。