金曜日

明日、彼は彼女の家に挨拶に行く。
いよいよ、二人の結婚は現実のものとなる。
本当に、終わりなんだなとつくづく感じる。
彼が私に連絡をしてこなくなった事も、彼の決意を感じさせる。
二人はきっと幸せになるだろう。
私は私で、K君と・・・。
なのに私は時々、無性に彼女が羨ましくなる。
彼に愛されて、この後人生を共にする彼女が羨ましくて仕方が無くなる。
もちろん私はK君が大好きだし、幸せも感じる。
この感情とも、あと少しの付き合いだろう。時間とともに、何も感じなくなるだろう・・・そう思いながらも、なかなかなくならない。
その感覚は、ふいに訪れる。彼女の何気ない言葉から・・・。
あんなに大好きだった人を、そんなに簡単に居なかったみたいに忘れることなんて出来ないんだろうな〜と思いつつ、K君に対する罪悪感を感じる。